血液・造血器疾患エキスパートナーシング
監修:堀田 知光
- 判型
- B5
- ページ数
- 326ページ
- 本体価格
- 3,800円
- ISBN
- 9784524266029
- 発売日
- 2015年 3月 25日
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- 内容紹介
- 目次
-
血液・造血器疾患の治療と看護を解説したプラクティカルテキスト.各疾患ごとに「看護計画」「看護のポイント」を立てたほか,「血液内科看護師に必須の知識とスキル」といった章を設け,熟練の看護師による執筆で看護の内容を充実.フルカラーの顕微像や症例写真,実践写真が多く入り,視覚的に理解できる.血液内科に配属された看護師が知識を深め,よりよい看護を実践することを可能にする一冊.
【はじめに(序文)】
血液疾患の多くは発症率が人口10万人あたり数人程度であり、稀少疾患である。総合病院であっても血液疾患の診療を行っていない病院も多い。それにもかかわらず、看護師が血液疾患について学ぶことの意義は何だろうか。
血液は全身を巡り、すべての臓器への酸素供給、栄養供給、ホルモン・サイトカインの運搬を行っており、さらに生体を病原微生物やがんなどから守り、止血・線溶機構により循環系を維持している。このことから血液疾患では全身のさまざまな症状を引き起こす。また多くの臓器疾患が血液に異常をきたす原因となり、貧血、易感染性、出血傾向などの血液症状を引き起こす。したがって血液疾患の病態生理を理解することは看護の基礎知識となる。
一方で、血液疾患の診断・治療法は専門性の高いものが多く、初学者には敷居が高く感じられることも事実である。化学療法、輸血療法、感染症治療、緩和療法などは臨床腫瘍学に必須の知識である。また科学の進展を反映して、診断法、治療法が目まぐるしく変化している。たとえば、分子生物学の成果である分子標的治療により悪性疾患の予後が著しく改善している。幹細胞生物学の成果である造血幹細胞移植は再生医療の成功例となっている。分子標的治療も再生医療も未来の医学を先取りした治療法である。これらの医療は専門家によるチームワークなくして成功しない。患者を中心としたチーム医療を円滑に行う上で看護師の果たす役割は大きい。
本書は、以上のような血液看護の特殊性と普遍性を学べる書籍を目指している。2002年に出版された本書の前身である『血液・造血器疾患の治療と看護』は幸いにして好評をもって受け入れられて版を重ねてきたが、10年以上を経て一部の情報は古くなっている。とくに、分子標的薬の登場によって疾患の予後は改善し、造血幹細胞移植技術も進歩が大きい。緩和ケアも早期より実施されるようになってきた。それに応じて看護の姿も変化している。前書の精神を失わないように今回新たに全面改訂することとなった。医療技術の進歩と看護の心をどのように融和させることができるのか。本書が新しい時代の看護師の要望に応えることができれば幸いである。
2015年1月
編者を代表して
安藤潔 -
【はじめに(序文)】
血液疾患の多くは発症率が人口10万人あたり数人程度であり、稀少疾患である。総合病院であっても血液疾患の診療を行っていない病院も多い。それにもかかわらず、看護師が血液疾患について学ぶことの意義は何だろうか。
血液は全身を巡り、すべての臓器への酸素供給、栄養供給、ホルモン・サイトカインの運搬を行っており、さらに生体を病原微生物やがんなどから守り、止血・線溶機構により循環系を維持している。このことから血液疾患では全身のさまざまな症状を引き起こす。また多くの臓器疾患が血液に異常をきたす原因となり、貧血、易感染性、出血傾向などの血液症状を引き起こす。したがって血液疾患の病態生理を理解することは看護の基礎知識となる。
一方で、血液疾患の診断・治療法は専門性の高いものが多く、初学者には敷居が高く感じられることも事実である。化学療法、輸血療法、感染症治療、緩和療法などは臨床腫瘍学に必須の知識である。また科学の進展を反映して、診断法、治療法が目まぐるしく変化している。たとえば、分子生物学の成果である分子標的治療により悪性疾患の予後が著しく改善している。幹細胞生物学の成果である造血幹細胞移植は再生医療の成功例となっている。分子標的治療も再生医療も未来の医学を先取りした治療法である。これらの医療は専門家によるチームワークなくして成功しない。患者を中心としたチーム医療を円滑に行う上で看護師の果たす役割は大きい。
本書は、以上のような血液看護の特殊性と普遍性を学べる書籍を目指している。2002年に出版された本書の前身である『血液・造血器疾患の治療と看護』は幸いにして好評をもって受け入れられて版を重ねてきたが、10年以上を経て一部の情報は古くなっている。とくに、分子標的薬の登場によって疾患の予後は改善し、造血幹細胞移植技術も進歩が大きい。緩和ケアも早期より実施されるようになってきた。それに応じて看護の姿も変化している。前書の精神を失わないように今回新たに全面改訂することとなった。医療技術の進歩と看護の心をどのように融和させることができるのか。本書が新しい時代の看護師の要望に応えることができれば幸いである。
2015年1月
編者を代表して
安藤潔
【目次】
1章 血液・造血器疾患の治療における看護の役割
2章 造血のしくみ
3章 血液疾患の症状と看護
1.貧血
2.紫斑・止血困難(出血傾向)
3.リンパ節腫大
4.脾腫
5.発熱
4章 診察・検査と看護
1.末梢血検査
2.血小板・凝固機能の検査
3.生化学検査
4.免疫機能検査
5.染色体・遺伝子検査
6.骨髄検査
7.リンパ節生検
8.画像診断
5章 主な治療法
1.化学療法
2.分子標的治療薬
3.免疫抑制療法
4.輸血
5.放射線療法
6.造血幹細胞移植
7.その他の治療・対策-感染症対策,DIC対策,その他の合併症対策
8.よく使用される薬剤
6章 血液内科の看護師に必須の知識とスキル
1.感染管理
2.出血傾向の管理
3.血液疾患患者へのコーチング
4.血液疾患患者のリハビリテーション
7章 貧血性疾患の治療と看護
1.再生不良性貧血
2.鉄欠乏性貧血
3.骨髄異形成症候群
4.溶血性貧血
5.巨赤芽球性貧血
6.血球貪食症候群
8章 白血病と骨髄増殖性疾患の治療と看護
1.急性白血病
2.慢性骨髄性白血病
3.真性赤血球増加症(真性多血症)
4.原発性骨髄線維症
9章 リンパ・免疫系疾患の治療と看護
1.悪性リンパ腫
2.成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)
3.多発性骨髄腫
4.原発性マクログロブリン血症
5.アミロイドーシス
10章 出血性疾患の治療と看護
1.特発性血小板減少性紫斑病
2.血栓性血小板減少性紫斑病と溶血性尿毒症症候群
3.播種性血管内凝固症候群
11章 小児に特有な血液疾患の治療と看護
1.小児急性白血病
2.原発性免疫不全症候群
3.先天性再生不良性貧血
4.血友病
12章 治療における症状マネジメント
1.化学療法における症状マネジメント
2.分子標的治療薬における症状マネジメント
3.免疫抑制療法における症状マネジメント
4.輸血における症状マネジメント
5.放射線療法における症状マネジメント
6.造血幹細胞移植における症状マネジメント
7.よく使用される薬剤における症状マネジメント
13章 血液疾患における緩和ケア
索引