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【書店様向け】注文書作成

フィジカルアセスメントと画像の図鑑

編集監修:後藤順一 編集:金井信恭 編集:吉田拓生 

判型
AB
ページ数
256ページ
本体価格
3,500円
ISBN
9784524229680
発売日
2022年 12月 6日

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書店様向け
注文書作成

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  • 内容紹介
  • 目次
  • 症状・患者さんの訴えからケアや病態の把握に必要なフィジカルアセスメントを引ける,頻度の高い101疾患を網羅した図鑑.ケアの開始や,急変時や患者さんの訴えがあったときに有用なフィジカルアセスメントだけでなく,画像検査も疾患ごとに見開きで紹介しており,フィジカルアセスメントと画像所見を繋げて理解することができる.初学者からエキスパートまで満足の1冊.

  • 【序文】
     患者から「頭が痛い」という訴えを聴いたことはないだろうか.その際にはどのように患者をアセスメントしているだろう.頭痛の訴えを聴いて,バイタルサインである血圧,脈拍,呼吸,体温,SpO2の測定を行うのが常である.その後,何を考え行動するだろうか.医師へ報告し指示をもらうことも一つの方法かもしれない.しかし,次の方法はどうだろう.患者の訴えをよく聴き,頭痛とともに随伴している症状を把握する.それらの症状の性状や関連する動作・時間などを聴き出す.また看護師の五感を用いて,患者を診て,患者から発せられる音を聴き,患部を手で触り,その触っている手の感触と押す程度での反応を確認し,軽く叩いたときの音と,その反応を確認する.これら,いわゆるフィジカルアセスメントである.
     このフィジカルアセスメントは,現場で行われるべき看護技術の一つである.しかし,フィジカルアセスメントは,看護師が最も修得に苦労する技術の一つとも言える.なぜなら,修得には多くの経験が必要である.例え看護師20年のキャリアであったとしても,このフィジカルアセスメントを使用した経験が少なければ,そのアセスメントは未熟である.逆に看護師年数が少なくても,日々の業務で,フィジカルアセスメントを駆使している看護師のアセスメントは,大きな信頼となりうる.さらにフィジカルアセスメントは,単に観察技術だけではなく,患者に触れることにより,「安心感」や「癒やし」を同時にもたらすことができる.看護は「手と目でみて(看)観察し見守る(護)」という「手」と「目」という漢字から成り立ち,患者の肌に触れることが大切であることを先人から伝えられてきた.フィジカルアセスメントを駆使する看護師は,より患者に近く,安心を与え,より異常の発見に長けた存在となりうると言える.
     数年前,韓国ドラマの『宮廷女官チャングムの誓い』というドラマを観て驚いたことを今でも思い出す.主人公であるチャングムは宮廷の医官であり,患者の肌と脈拍に触れ,観察をしただけで病名を当てる.ドラマという脚色はあれども,当時の医官はこのような手法で患者の病態を把握し治療を行っていたことを知った.現代において,医療は進歩しており,神業的な医業を行わなくても,多くの検査により疾患や病態を判断できるようになった.また,電子カルテ化により画像診断も進歩している.看護師には無縁であった画像診断が,ますます身近なものとなり,さらに10年後の未来には今よりもさらに進歩していることは事実だろう.このような現代においても,フィジカルアセスメントがなお学び続けられているのは,患者を把握するための最初の技法はやはりフィジカルアセスメントであり,その判断で患者診療と治療の舵取りがなされている.これら先人から伝わるフィジカルアセスメントと,現在の画像診断の知識を看護師が学習することで,より効果的な看護アセスメントへと繋げられるのではと考えている.
     本書は看護師に診断する能力をつけるわけではない.しかし,見えない疾患に対して,盲目的にケアを行うのではなく,しっかりとしたアセスメントと患者の病態予測の上で,看護ケアに繋げてほしいと考えている.そのために,本書では,患者の訴え,症状,疾患で索引が分けられている.それぞれの状況に応じてこの本を活用し,学習していただきたい.
     最後に,金井先生,吉田先生には,医学的観点からていねいな医学指導と資料提供をしていただきましたことに心から感謝します.さらに,貴重な資料をご提供してきただいた上,ご執筆いただきました諸先生方,本書の制作に加わっていただきましたスタッフの皆様方に厚く御礼を申し上げます.

    2022年11月吉日

    社会医療法人河北医療財団 河北総合病院
    急性・重症患者看護専門看護師
    後藤 順一


    【目次】
    症状から引く索引 
    正常画像一覧 

    頭部&頸部 
    001 くも膜下出血 
    002 脳梗塞
    003 被殻出血 
    004 皮質下出血
    005 小脳出血 
    006 視床出血 
    007 橋出血 
    008 正常圧水頭症 
    009 単純ヘルペス脳炎 
    010 慢性硬膜下血腫 
    011 急性喉頭蓋炎 
    012 頸動脈狭窄症 

    胸部(呼吸器など) 
    013 胸 水 
    014 無気肺 
    015 肺気腫(COPD) 
    016 細菌性肺炎 
    017 ニューモシスチス肺炎 
    018 COVID-19 
    019 誤嚥性肺炎 
    020 間質性肺炎 
    021 ARDS 
    022 肺結核 
    023 肺血栓塞栓症 
    024 肺がん 
    025 気 胸 
    026 特発性縦隔気腫 
    027 食道破裂 
    028 乳がん 

    心大血管 
    029 心筋梗塞 
    030 たこつぼ型心筋症 
    031 心筋炎 
    032 感染性心内膜炎 
    033 心タンポナーデ 
    034 うっ血性心不全
    035 大動脈弁狭窄症
    036 大動脈弁逆流症
    037 僧帽弁逆流症
    038 僧帽弁狭窄症
    039 急性大動脈解離
    040 腹部大動脈瘤破裂

    腹 部
    041 腹 水 
    042 便秘症 
    043 上腸間膜動脈閉塞症 
    044 急性肝炎 
    045 肝硬変
    046 肝細胞がん 
    047 総胆管結石,胆管炎 
    048 急性胆嚢炎 
    049 急性膵炎 
    050 膵臓がん
    051 脾 腫 
    052 腸閉塞 
    053 上部消化管穿孔
    054 下部消化管穿孔
    055 上部消化管出血
    056 下部消化管出血
    057 腹膜炎
    058 胃がん
    059 大腸がん
    060 急性腸炎
    061 急性虫垂炎
    062 腸重積
    063 アニサキス症
    064 鼠径ヘルニア

    泌尿生殖器
    065 水腎症 
    066 尿管結石
    067 腎盂腎炎 
    068 腎がん 
    069 膀胱がん 
    070 精巣捻転 
    071 子宮筋腫
    072 子宮がん
    073 卵巣腫瘍茎捻転 
    074 異所性妊娠(子宮外妊娠)

    整形&外傷 
    075 頭蓋骨骨折 
    076 硬膜外血腫
    077 急性硬膜下血腫 
    078 頸髄損傷
    079 頸椎骨折
    080 外傷性血気胸
    081 緊張性気胸
    082 肋骨骨折
    083 フレイルチェスト
    084 肝損傷
    085 脾損傷 
    086 腎損傷
    087 腰椎損傷
    088 骨盤骨折 
    089 肩関節脱臼 
    090 股関節脱臼 
    091 開放骨折 
    092 大腿骨頸部骨折
    093 骨髄炎

    その他
    094 末梢動脈閉塞
    095 深部静脈血栓症 
    096 尿道カテーテル閉塞
    097 脱水症
    098 気管チューブの位置異常
    099 CVCの位置異常
    100 異物誤飲
    101 異物挿入

    付 録
    1.基本的フィジカルアセスメント手技 
    2.患者が訴える症状とその原因 

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