高齢者のナイトケア 生活の場を中心とした支援のポイントと実際
著編集:尾﨑章子 著編集:坪井桂子
- 判型
- B5
- ページ数
- 164ページ
- 本体価格
- 2,600円
- ISBN
- 9784818025691
- 発売日
- 2023年 4月 17日
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- 内容紹介
- 目次
-
回復期・慢性期病棟や療養型病院のほか、特養や老健等の施設、そして在宅など「生活の場」を中心に療養する高齢者の夜間のケア(ナイトケア)に焦点をあてました。
看護職・介護職等の人的リソースが限られる中でも適切にケアが提供できるように、夜間に生じやすい高齢者のニーズの実際とその対応について実践事例とともに詳述しています。
管理者の役割等についても明示し、病院・施設内の事例検討や研修等にも活用できるエッセンスが満載です。 -
プロローグ 高齢者にとっての眠り
Ⅰ 高齢者にとっての夜
1 生活の場からみた夜
1 高齢者が望む療養生活を送るための場所とは
2 高齢者を支える主な病院・施設の概要と夜間の看護体制
1)療養病床(医療療養病床・介護療養病床)/2)介護医療院/ 3)介護
老人福祉施設(特別養護老人ホーム)/ 4)介護老人保健施設
3 病院・施設という集団で暮らす中での睡眠への影響
1)高齢者に対する睡眠を中心としたケア/ 2)集団の中で個人の生活リズ
ムを整えるために
4 施設における夜間のケアや対応
1)緊急時に備えた平常時からの準備/2)看取りへの対応/3)施設内
外の連携・協働体制の確保/COLUMN ユニットケアの特徴と導入の意義
5 高齢者にとって在宅とはどのような場か
1)高齢者にとっての在宅/ 2)一人暮らしの高齢者にとっての在宅
6 在宅高齢者にとっての夜
1)一人暮らしの高齢者の場合/ 2)夜間に生じやすい体調変化や心理的不
安感
7 在宅高齢者の家族にとっての夜
1)在宅高齢者のケアの担い手である家族にとっての夜/2)遠方に居住す
る家族にとっての夜
8 在宅高齢者・家族への夜間の支援
1)在宅ケア専門職による支援/ 2)ICTの活用
2 認知症高齢者の理解
1 認知症高齢者をめぐる社会的な背景や動向
1)認知症への呼称変更/2)「新オレンジプラン」の策定/3)「認知
症施策推進大綱」による取り組み
2 認知症になるということ、ともに生きるということ
1)「認知症とともに生きる希望宣言」とは/2)生活史を踏まえたかかわ
りの意義
3 認知症ケアの中心となる概念
1)パーソンセンタードケア/ 2)ICF(国際生活機能分類)
4 認知症の原因疾患と症状
1)原因疾患/ 2)症状
5 認知症の薬物療法と非薬物療法
1)薬物療法/2)非薬物療法
6 認知症高齢者と睡眠障害
1)なぜ睡眠障害が起こりやすいのか/ 2)認知症高齢者の睡眠障害にお
ける諸症状と対応/ 3)認知症高齢者の睡眠障害への看護
7 認知症高齢者にとっての夜
1)認知症高齢者の夜間の状態/ 2)認知症高齢者が夜間に影響されやすい
要因
Ⅱ ケアする人にとっての夜
1 ケアの場からみた夜
1 病院・施設におけるナイトケア
2 ナイトケアにおける心身への負荷
3 ナイトケアにおける業務の特徴
1)就寝前の対応/ 2)就寝時の対応/3)翌朝の起床時の対応
4 ナイトケアにおける倫理
5 ナイトケアにおける判断と責任の重さ
6 ミニマムナイトケアから発展的なナイトケアの探究へ
7 訪問看護ステーションにおける夜間の対応体制
8 オンコールを担当する訪問看護師にとっての夜
9 訪問看護師のオンコールに対する準備
1)時間外対応が生じうる場合の予測/2)事業所内における職員間の情報
共有/3)定期訪問時の利用者・家族への説明/ 4)多職種との連携
2 在宅ケア従事者が考えておくべきこと
1 “眠れなさ”がなぜ起こるのか―その要因を考え、「点」を「線」にする
1)在宅ならではの複合的要因の検討/ 2)スタッフや家族との情報共有や
協力関係の重要性
2 「夜」の不安定さは「夜」だけにとどまらない
1)本人の不安に寄り添う日中訪問時のかかわり/2)本人の生活史から
ヒントを得たかかわり
3 療養者本人と家族の間を取り持ち、理解を促す
1)本人・家族それぞれの思いのすれ違い/2)本人・家族の言動や状態か
らのアセスメントとケア
4 何を問題として着目するのか
5 在宅療養者の「夜」を変えるために
Ⅲ 夜にはどのようなことが起こるのか
――高齢者のナイトケアの実際
1 一人暮らしの末期がん高齢者の不眠の背景にある苦痛を軽減する
2 認知症高齢者のとらえにくい苦痛を包括的にアセスメントし緩和を図る
3 口渇・頻尿に伴う入眠困難をきたす患者の水分補給を援助する
4 夜勤の介護職の不安を取り除いて本人・家族の望む看取りを支える
5 高齢者の行動の背景にある意思や価値観を尊重して転倒を予防する
6 急性期病院と連携して心不全患者のせん妄の遷延を防ぐ
7 思い込みで判断せずに暴言・暴力の背景をアセスメントし対応する
8 夜間特有の環境と患者・利用者の抑えがたい気持ちを理解して離院・離設を防ぐ
Ⅳ 補論
1 高齢者のリロケーション(生活の場の移行)に伴う留意点
1 地域包括ケアシステムと生活の場の移行
2 高齢者のリロケーション
3 高齢者にもたらすリロケーションダメージとは
4 リロケーションダメージの回避に向けた取り組み
1)身体的・精神的・社会的側面へのダメージの予測/2)ダメージを最小
限にするための工夫/3)事前説明と本人の意思決定支援/4)高齢者
の体調の異変の早期発見と対応
5 リロケーション後のナイトケア
6 高齢者のリロケーションを支えるケア提供者の役割
2 看護職と他職種との連携・協働
1 他職種連携により質の高いケアをチームでつなぐ
1)地域包括ケアシステムにおける連携・協働/2)施設における看取りを
支えるために/ 3)他職種を信頼し、ともに最善のケアをつくり上げるた
めに
2 ナイトケアにおける他職種との連携・協働
1)回復期リハビリテーション病棟の実際/2)特別養護老人ホームの実際
/3)介護老人保健施設の実際
3 管理者が考えておくべきこと
1 病院・施設において管理者に求められること
1)組織管理能力/2)質管理能力/3)危機管理能力/ 4)病
院・施設における課題と管理者としての役割
2 在宅において管理者に求められること
1)ケア提供者体制づくり―ケア提供者との関係性を構築する/ 2)ケアの
質の保障―スタッフの思考性を育てる